【各国語文法】英語とはどんな言語? 文法を一言で語るなら


英語とはどんな言語か、一言で語ってみる



平叙文では、「主語」と「動詞」の2語が必要な言語


 どんな言語でも、一言で文法を説明するのはそもそも無理があるのですが、もし英語の文法的特徴を一言で説明するとすれば、”述部に最低でも「主語」と「動詞」の2語が必要な言語”と言えるでしょう。

 例文を示します。
 
 <日本語> 好きだ。 ・・・・「述語」という1語で文が完成。

 <英語>   love you. ・・・・「主語」「動詞」という2語以上が文に必要。


 動詞によっては「目的語」や「補語」も必須ですが、英語は少なくとも2語が必要です。

 上記の例で、「ここには私とあなたしか居ないのだから、わざわざ”I(私は)”なんて言わなくてもいいじゃない?」 と、日本語話者なら思うのですが、

 Love you. 

 としてしまうと、「愛せよ」 という、命令の意味になってしまうので、どうしても主語を省けないのです。


 日本語との比較で、特徴を表記すると、こんな感じです。

 言語  平叙文を作る為の最低要素  例
 日本語  述語の1語のみ。  好きだ
 英語  主語動詞の2語が必要。
動詞によっては、動作の対象(
目的語補語)も必須。
 I love you


動詞の活用(~sなど)について


 英語の学習では、「主語が三人称単数の場合、動詞の末尾に”s”が付く」という、動詞の活用について習いますが、どうしてこんな規則な存在するのだろう? と思った事はありませんか。

 それは、英語の文章では、「主語」と「動詞」がかならずセットで必要なので、その「セット」が良く判る様にする為なのです。
  
 単純な文章なら、その対応関係は明らかですが、長い文章で、主語と動詞の間が離れてしまう場合、両者の対応が判りにくくなります。 こうした場合に、この規則が有効になります。

 とはいえ、一般動詞なら三人称単数の場合だけ(be動詞ならもっとありますが)活用する、という規則はちょっと中途半端な気もします。


代名詞の役割について


 英語の代名詞の役割も、英語が「どうしても、主語と動詞が必要」という言語である事と密接な関係があります。
 
 日本語に於ける代名詞の役割は、「何度も同じ事を繰り返すのを避ける」「名前の代わりに話者との対応関係で示す」というものです。(だから、人称代名詞などは、話者との対応関係に応じて「あなた」「貴様」「きみ」など、たくさんあります)

 英語の代名詞の役割は違います。

 「何度も同じ事を繰り返すのを避ける」「文法上の穴埋め」です。

 たとえば、”雨が降る”というのは英語で”rain”という1語の動詞で表す事ができますが、これを文章にする場合は、 動詞だけではなく、どうしても主語が必要で、

 It rains

 という風に、むりやり it という代名詞を使います。この it には 意味はなく、単に、主語にあたる語が見当たらないが空白のままにもできないので、穴埋めの語として使っているわけです。


まとめ

以上をまとめると、英語とは以下の様な言語でした!

 
言語 平叙文を作る為の最低要素 そこから生じる特徴
日本語 述語の1語のみ。  
英語 主語動詞の2語が必要。
動詞によっては、動作の対象(
目的語補語)も必須。
・主語と動詞の対応関係を明らかにする為、主語(三人称単数)により動詞が活用する。

・主語などにあたる適当な語が無い場合、無理やり代名詞で埋める。




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