【各国語文法】各言語の主語の見つけ方


各言語の基本構造・・・主語の見つけ方


 英語、フランス語、ドイツ語、ロシア語、中国語、ヒンディ語での主語の見つけ方をざっと横並びしてみようと思います。

 ただし、この記事では、平叙文を扱い、句や節が主語であるケースは省きます。






日本語・・・助詞「が」「は」のある名詞が主語










 日本語の場合、助詞「が」や「は」が、主語の目印になります。


英語・・・V(述語)の前に出てくる名詞(名詞の判断はやや難)が主語


 


 S(主語)+V(述語)+O(目的語) という基本構造をしている言語ですので、S(主語)は必ず動詞の前にあります。 また、S(主語)は(句の場合は別ですが)、前置詞の着かない名詞です。

 ただ、「その単語が名詞である」かどうかは、一般名詞の場合は冠詞(無い場合もある)ぐらいしか目印がありません。

 まとめると、以下の様になります。
  • 述語の前にある名詞
  • 前置詞無しの名詞
  • その単語が名詞かどうかは、冠詞が目印になる。
  • ただし冠詞が無い場合、名詞かどうかは語形からの判断は難しい。

フランス語・・・V(述語)の前に出てくる名詞(冠詞で判る)が主語



 S(主語)+V(述語)+O(目的語) という基本構造をしている言語で、英語と全く同じです。ただし、英語と異なり、一般名詞には、殆どの場合に冠詞が付きます。(不定冠詞が複数形にまで付きます)

 ちなみにフランス語の冠詞は、以下です。赤い所に注目、複数形の不定冠詞、液体など不可算名詞への冠詞まであります。

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 ◆定冠詞(既出の名詞)  ⇒:le (l’)〔ル〕、la (l’)〔ラ〕、les〔レ〕

 ◆不定冠詞(未出の名詞) ⇒:un〔アン〕、une〔ユヌ〕des〔デ〕

 ◆部分冠詞(液体など)  ⇒:du〔リュ〕、de la(de l’)〔デ ラ〕
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まとめると、以下になります。





  • 述語の前にある名詞
  • 前置詞無しの名詞
  • その単語が名詞である事は、冠詞か形容詞の有無で判る(冠詞が無い場合はほぼない)


  • ドイツ語・・・大体、1語目か3語目にある名詞(大文字で判る)が主語



     
    ドイツ語の場合、語順が比較的自由で、文中の主語の位置が決まっていません。

    ただし、「名詞は先頭を大文字で表記する」という有難い表記ルールがあるので、まず、先頭が大文字で書かれた語を確認したあと、以下の青字のいずれかが主語であると見当をつけます。


     S(主語)、概ね以下の様に1語目か3語目になる様です。

    〔主文〕  : S(主語)++(2語目以降)+(V(枠構造)
             (1語目)++S(主語)+(V(枠構造)

    〔従属文〕:  S(主語)+(2語目以降)+V(述語)

     
     更に、冠詞の形(主格)で更に絞り込みを掛けます。

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
     ◆定冠詞(主格)  ⇒:der〔デァ〕、die〔ディ〕、das〔ダス〕

     ◆不定冠詞(主格) ⇒:ein〔アイン〕、eine〔アイネ〕
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     ただし、英語同様、複数一般名詞には冠詞が無かったり、同じ語形で目的格を表していたりするので、決定打にはなりません。


     まとめると、以下になります。
    • 先頭が大文字である事から名詞を判別
    • 前置詞無しの名詞
    • 概ね1語目か3語目
    • 冠詞がある場合は、主格であるかを確認

    ロシア語・・・語尾の格変化から推定


     ロシア語の場合、冠詞がなく、名詞の大文字表記ルールもなく、しかも語順も一定しないので、どれが主語かを語形だけで判断するのは容易ではありません。

     もちろん、格変化という名詞の語尾変化から判断できるのですが、変化の種類が多く、かつ、同じ語尾を複数の格(例えば、目的格は主格と同じ形だったりする)で使っているので、決定打にはなりません。 

     ただ、決定打にはなりませんが、格変化を使うのが最も確からしいとも思いますので、簡単な目安を記します。(ロシア語の格変化は、「〇ァー」や「〇ャール」など、語尾を母音やヤ行音で伸ばす傾向がある為、母音別に列記してみます) 

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    ◆子音  :-〔*〕    ⇒ ♂は、  

    ◆ア段  :a〔アー〕   ⇒ ♀は、§は、 
           Я 〔ヤール〕 ⇒ ♀♀は、

    ◆イ段  :И〔イー〕    ⇒ ♂♂・♀♀は、
           Ы〔ゥイー〕  ⇒ ♂♂・♀♀は、
     
    ◆エ段  :Е 〔ィエー〕 ⇒ §は、
    ◆オ段  :O〔オー〕 ⇒§は、

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    子音で終わるか、ウ以外の母音で伸ばしていたら、主格を疑ってみましょう。

    中国語・・・ずばり漢字の意味で判断


     中国語の場合、ずばり漢字の意味で判断するのが良いと思います。 

     語形になんの手掛かりも無いので、形から判断はできません。 まずどれが述語かを漢字の意味から探り、次にその述語にふさわしい述語を、意味を手掛かりに探ります。

     ・・・ただ、漢字の意味を知らない場合は、主語を探るのはとても困難な気がします。

    ヒンディ語・・・・・・語尾の形で判断


     大以の様な形で主語を判断できます。 あと、大は前の方に存します。

     ā〔アー〕: ♂は、
     
     ī 〔イー〕: ♀は、
     
     e〔エー〕: ♂は、

     iyān〔イアーン〕:♀は、


    以上、主語の見つけ方の説明でした!   

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