各言語の基本構造・・・主語の見つけ方
ただし、この記事では、平叙文を扱い、句や節が主語であるケースは省きます。
日本語・・・助詞「が」「は」のある名詞が主語
英語・・・V(述語)の前に出てくる名詞(名詞の判断はやや難)が主語
S(主語)+V(述語)+O(目的語) という基本構造をしている言語ですので、S(主語)は必ず動詞の前にあります。 また、S(主語)は(句の場合は別ですが)、前置詞の着かない名詞です。
ただ、「その単語が名詞である」かどうかは、一般名詞の場合は冠詞(無い場合もある)ぐらいしか目印がありません。
まとめると、以下の様になります。
- 述語の前にある名詞
- 前置詞無しの名詞
- その単語が名詞かどうかは、冠詞が目印になる。
- ただし冠詞が無い場合、名詞かどうかは語形からの判断は難しい。
フランス語・・・V(述語)の前に出てくる名詞(冠詞で判る)が主語
S(主語)+V(述語)+O(目的語) という基本構造をしている言語で、英語と全く同じです。ただし、英語と異なり、一般名詞には、殆どの場合に冠詞が付きます。(不定冠詞が複数形にまで付きます)
ちなみにフランス語の冠詞は、以下です。赤い所に注目、複数形の不定冠詞、液体など不可算名詞への冠詞まであります。
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◆不定冠詞(未出の名詞) ⇒:un〔アン〕、une〔ユヌ〕、des〔デ〕
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まとめると、以下になります。
ドイツ語・・・大体、1語目か3語目にある名詞(大文字で判る)が主語
ドイツ語の場合、語順が比較的自由で、文中の主語の位置が決まっていません。
ただし、「名詞は先頭を大文字で表記する」という有難い表記ルールがあるので、まず、先頭が大文字で書かれた語を確認したあと、以下の青字のいずれかが主語であると見当をつけます。
S(主語)は、概ね以下の様に1語目か3語目になる様です。
〔主文〕 : S(主語)+V+(2語目以降)+(V(枠構造))
(1語目)+V+S(主語)+(V(枠構造))
〔従属文〕: S(主語)+(2語目以降)+V(述語)
更に、冠詞の形(主格)で更に絞り込みを掛けます。
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◆不定冠詞(主格) ⇒:ein〔アイン〕、eine〔アイネ〕
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ただし、英語同様、複数一般名詞には冠詞が無かったり、同じ語形で目的格を表していたりするので、決定打にはなりません。
まとめると、以下になります。
- 先頭が大文字である事から名詞を判別
- 前置詞無しの名詞
- 概ね1語目か3語目
- 冠詞がある場合は、主格であるかを確認
ロシア語・・・語尾の格変化から推定
ロシア語の場合、冠詞がなく、名詞の大文字表記ルールもなく、しかも語順も一定しないので、どれが主語かを語形だけで判断するのは容易ではありません。
もちろん、格変化という名詞の語尾変化から判断できるのですが、変化の種類が多く、かつ、同じ語尾を複数の格(例えば、目的格は主格と同じ形だったりする)で使っているので、決定打にはなりません。
ただ、決定打にはなりませんが、格変化を使うのが最も確からしいとも思いますので、簡単な目安を記します。(ロシア語の格変化は、「〇ァー」や「〇ャール」など、語尾を母音やヤ行音で伸ばす傾向がある為、母音別に列記してみます)
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◆子音 :-〔*〕 ⇒ ♂は、
◆ア段 :a〔アー〕 ⇒ ♀は、§は、
Я 〔ヤール〕 ⇒ ♀♀は、
◆イ段 :И〔イー〕 ⇒ ♂♂・♀♀は、
Ы〔ゥイー〕 ⇒ ♂♂・♀♀は、
◆エ段 :Е 〔ィエー〕 ⇒ §は、
◆オ段 :O〔オー〕 ⇒§は、
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中国語・・・ずばり漢字の意味で判断
中国語の場合、ずばり漢字の意味で判断するのが良いと思います。
語形になんの手掛かりも無いので、形から判断はできません。 まずどれが述語かを漢字の意味から探り、次にその述語にふさわしい述語を、意味を手掛かりに探ります。
ヒンディ語・・・・・・語尾の形で判断
大以の様な形で主語を判断できます。 あと、大は前の方に存します。
ā〔アー〕: ♂は、
ī 〔イー〕: ♀は、
e〔エー〕: ♂♂は、
iyān〔イアーン〕:♀♀は、